《見た目のインパクトで楽器を手にとって欲しい》:神戸「Scorelay Japan」ショールーム探訪2015年7月20日

scorelay-japan

Scorelay Japan(=スコアレイジャパン)は海外の楽器の輸入代理事業を行っています。創業2013年の生まれたての会社ですが、同社が取り扱うギターやエフェクターなどは既に国内のプロ・ミュージシャンによって使用されるなど話題となっています。今回、Supernice!(=スーパーナイス)スタッフがショールームを訪問し、代表の肥田さんにスコアレイジャパンが扱う機材についてお話を伺うことができました。


──今回は宜しくお願い致します。ではまず、お名前と経歴を教えていただいてもよろしいですか?

肥田光宇爾 肥田コウジといいます。元々アメリカのMIハリウッドでギターを勉強していました。その後、東京でプロ・ギタリストとしてレコーディングへの参加、バンドのサポート活動、音楽学校で教えていたりなど行っていました。神戸に移りスコアレイジャパンを設立したのが2013年。準備に時間がかかっていたので実際に動き出したのは2015年入ってからですね。

──スコアレイジャパンでは、エレキギター・エフェクター・ピックなど海外の製品を輸入代理するという業務をされていますね。それぞれの製品についてどのような基準で仕入れているのか、聞いていきたいと思います。

取り扱っている機材について

エフェクターを選ぶ基準

──まずはエフェクターについて。これまでアルゼンチンの Sonomatic、オーストラリアの Anarchy Audio、ブラジルの Ed’s Mod Shop、ブルガリアの SviSound などを取り扱っていますね。これらを選ぶ基準について、教えていただけますか?

肥田光宇爾 エフェクターに関しては音がいいのは当たり前として、それは経験上耳で聞いて判断しているけれども、それプラス、並べた時にデザインが綺麗・カワイイ・イカツいとか、個性のあるデザインのものを選んでいます。

──肥田さんは個人的にビンテージからハイエンドなブティック系と呼ばれるエフェクターを多数お持ちだそうですね。

肥田光宇爾 そうですね。ビンテージのTS-808、70年後期に作られた極太のファズっぽいニュアンスのあるディストーションの MXR Distortion II、ROSS のコンプ、Landgraff など、全部で100個近くは所有しています。中でも一番好きなのは Analog.man King Of Tone Ver.4。個人的にはブルージーなギター・フレーズが好きなのですが、それに一番合うのがこのペダルですね。King of Tone だけでバージョン違いを3つ持っています。

──かなりお好きなんですね。

presidentインタビューの合間、ギターを弾く肥田さん

肥田光宇爾 はい(笑。MIハリウッドで学んだアメリカ時代、ジギー・マーリー(父はボブ・マーリー)のバンドでギターを弾いている日本人プロギタリストである Takeshi Akimoto さんと仲良くさせてもらっていて、タケシさんと楽器マニアの白人のおっちゃんと私の3人がエフェクター・コレクターだったんですが、夜中でも音を出せるようなMIハリウッドの部屋に、夜な夜な3人それぞれのコレクションを持ち寄って、ひたすら音を出し続ける…笑。フルトーンのOCDを全員持っていて、直列で3台を繋いでどれが一番音がいいかを全員で当てる、音の差を調べる、みたいな遊びをやっていましたね。ビッグマフにしても最初期のラムズヘッドと言われるモデルから、現行に至るまでの様々なバージョンを並べて弾き比べる、などやっていました。

──なるほど。本物のビンテージを弾き比べて耳を肥やしていったわけですね。それではまず最初に、Sonomatic を選んだ基準を教えて下さい。

Sonomatic のエフェクター Sonomatic のエフェクター

肥田光宇爾 まず第一印象の見た目、ポップなカラー、筐体からオリジナルで作っている点、などの特徴が良かったです。もちろん自分で音を出して確認もします。価格自体も2万円前後で抑えられるので比較的手が届きやすい値段かなと。バンドアンサンブルに合いそうな気がしますね。

──続いて SviSound

SviSound のエフェクターSviSound のエフェクター

MetalvoidSviSound METALZOID:細部に渡って意匠にこだわりを感じる

肥田光宇爾 SviSound のエフェクターは男ウケしそうないかつい/無骨なルックスがポイントです。音抜けが良くて今風な音だから、所謂「エフェクターが好き・ギターが好き」な人に気にいってもらえるかなと思います。

──続いて ANARCHY-AUDIO

ANARCHY-AUDIO BaaBzz

肥田光宇爾 アナーキーオーディオに関しては、僕が一番好きなRoland AF-100 BeeBaa というビンテージ・ファズを再現した、回路を基に作ったという「BaaBzz」というのがあるんで、これはうちでやりたいなと。

──Ed’s Mod Shopは20種類以上ものファズを製作しているメーカーですね。

Eds Mod ShopEd’s Mod Shop のエフェクター

肥田光宇爾 ここはビルダーがファズ・マニアで、ファズだけで20種類程度、作っているというスーパーマニアなんですけど、その中でも日本に入れているのは、比較的オーソドックスで使いやすいEd’s Fuzz、「ブチブチ系」と言われるかなり個性的な Pookie Fuzz など4種類ぐらいですね。

──こうやってラインナップを見ていると、ファズに力を入れていますよね。

肥田光宇爾 そうなんですよ、僕ファズ大好きなんですよね(笑。以前仕事でバンドのサポートやってる時なんかもファズはばんばん踏んでましたね。Fuzz Factory で「ピィーーーッ」って言わしたり、コーラスかけてウィンウィン言わしたり、滅茶苦茶なプレイやってたんで、引っ掻き回す系ならファズってすごく使いやすいんですよ。

フランスのギターブランド:Magneto Guitars

──続いてエレキギター。Magneto Guitars を取り扱うに至った経緯を教えてください。

Magneto Guitarsショールームの壁面に掛けられていた Magneto Guitars

肥田光宇爾 これもまず見た目ですね。特にT-WAVEなんかは若干小ぶりのボディであったり、ピックカードにスリットが入っている、オレンジは他にない色だし、日本の女性ギタリスト、ボーカル・ギターの方に使ってもらいたいと思っています。今って女性がギターを弾くとなるとテレキャスター/テレキャスター・シンラインが選択肢に入ると思いますが、そのボディですら日本人の女の子には大きかったりするので、もう少し選択肢を増やせるということで、ズバリこのギターが目に留まりました。

Magneto T-WAVEMagneto T-WAVE をスコアレイジャパン・スタッフの中田さんに持ってもらった:オレンジ色は、女性が持つと特に映える

Grover Allmanのギターピック

──続いてグローバーオールマンのギターピック。Jim Dunlop など大手ピックメーカーも日本で流通している中、あえてピックを選んだ理由は?

GroverAllmanピックGroverAllman の色鮮やかなピック

肥田光宇爾 グローバーオールマンのピックは、ヌーノベッテンコートやオリアンティ(当時)が使っているという状況で、まだ日本に入ってきていないということにビックリしたんです。カラーラインナップとゲージの種類が豊富で、ピックの面取りや実際に弾いたところエッジ処理も丁寧にされています。ビンテージセルロイドとISOシェイプなど材質毎にゲージが違うなど、細やかな違いが存在するんです。そして何よりもその美しさに惚れてしまいました。

──それですぐにでも仕入れようと?

肥田光宇爾 ええ。当時うちもまだ売り物と呼べるものが何もなかったのですが、グローバーの社長にメールで伝えたところ快諾していただき、非常に感謝しております。ビンテージセルロイドのピックは本当に綺麗でカラーラインナップも豊富なので、弊社で作成した広告はビンテージセルロイドのピックをまるで宝石を並べるように、いかに綺麗に見えるか、というコンセプトの元で作成しています。

──グローバーオールマンのアイテムはピックだけで様々なシリーズが存在しますね。

肥田光宇爾 ええ。5枚のピックが1セットになって台紙もデザインできる「5Picks」、ピックをモチーフにしたネックレスなどをデザインできる「Custom Pick」、1枚づつで売りに出す「デザイナーズピック」などがあります。デザイナーズピックに関しては、プロのデザイナーが本気でデザインしたものを販売したらどうなるかなーということで、ロッキンジェリービーンさんに相談して製作に至ったアイテムが、この夏に発売開始されます。今後もカスタムできる商品を充実させていきたいです。

デザイナーズピックRockin’ Jelly Bean氏デザインのデザイナーズピック

──ツアーグッズなどで需要がありそうですね

肥田光宇爾 けいおんピックカードやデザイナーズピックのようにおしゃれでデザインにこだわりつつも、若い人達でも気軽に買ってもらえる値段帯の製品を企画したいと思っていました。

エレキギター、エフェクター、ピックとありますが、全ての製品に共通するのは「まずは見た目」ですね。単純に若い子が楽器屋に行った時に、面白いモノ・可愛い・カッコいい・おしゃれなモノを充実させていきたい。僕が10代にギターを始めた頃、お金はないけれど楽器が好きなので時間を見つけては楽器屋さんに通っていました。そういうときに買って帰るものといえば、好きなバンドやギタリストのシグネイチャー・ピックとか「ちょっとした小物」だったんです。なので自分がこういった仕事に就くことになって、若い人が気軽に買って帰ることができるようなものが作りたかった。そうしてピックカードやグローバーオールマンのデザイナーズピック/5pick、などを作りました。
東京や関西の楽器店には流通するようになってきたので、実際に楽器屋さんに足を運んで手にとって確かめてほしいですね。

ショールームとスタジオについて

──ショールームはどちらにあるのでしょうか

肥田光宇爾 兵庫県神戸市の東灘区です

──ちょうど今ショールームでインタビューさせてもらってますが、素敵な雰囲気ですね。

ミーティングスペーススタジオに併設するミーティングスペース

肥田光宇爾 ありがとうございます。スタジオで色々な機材を演奏したあと、この部屋でコーヒーを飲みながらリラックスしてお話できるような造りになっています。

──ショールーム横にはスタジオが併設されていますが、特にギターアンプが目に付きます。これらのアンプを選んだ理由はなんですか?

1969年製 Fender Princeton Reverb、Roland JC-120、Mesa Boogie Mark-Vショールーム内スタジオ:アンプは左から1969年製 Fender Princeton Reverb、Roland JC-120、Mesa Boogie Mark-V

badcat スタジオ内ベース・ドラムセットBadcat Hot Cat 30、スタジオ内にはベースやドラムセットも設置されている

肥田光宇爾 日本のスタジオに一番置いてあるジャズコーラス。日本で音作りをする上では外せない一番重要なアンプと思っていますので、設置しています。がっつりロックな音が欲しい人に対してはメサブギー。これでマグネートギターを弾いてもらいたいですね。1969年製のフェンダー・プリンストンは艶があって、ギターやエフェクターの本来の音を反映してくれる。でかいライブホールのアンプ、クラブギグ・サイズのアンプを置くことで、自分のスタイルに合わせて楽しんで試奏してもらいたいと思っています。実際に、色々なアーティストさんにこのショールームに来てもらって弾いてもらっています。

──色々なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

肥田光宇爾 ありがとうございました。


– 全ての製品に共通するのは「まずは見た目」 – そう語る肥田さんですが、確かに Magneto のギター/数々のエフェクター/Groverallman のピックなど、取り扱っているアイテムに共通するのは際立ったデザイン性であり、「見た目のインパクトで楽器を手にとって欲しい」という遊び心とバンドマン・プレイヤー・ユーザー目線での取り組みを伺うことができました。
しかし、だからといって楽器本来の「音」や「質」に注がれる視線も決して損なわれることなく、肥田さんの機材に対しての豊富な知識と経験によって選び抜かれているということ。実際、インタビューの合間に試奏しているギターの演奏は我々スタッフから見ても超絶プレイで、プレイヤーとしても卓越しているのは今回の取材中にも感じました。

落ち着いた環境で演奏できるスタジオ/ショールームには、スコアレイ・ジャパンの取り扱う機材に興味を持ったミュージシャンが訪れるそうです。

Sonomatic のエフェクターをギター博士が弾いてみた!

Magneto Guitars – エレキギター博士
Magneto Guitars T-WAVEをギター博士が弾いてみた! – エレキギター博士
Grover Allman のピック – エレキギター博士
Sonomatic エフェクター一覧 – Supernice!エフェクター

最終更新日 : 2017/08/11

記事カテゴリ:楽器店・代理店