2021年某日、「エレキギター博士」サイトを運営するSupernice!のオフィスに、大量の段ボール箱が運び込まれました。2020年6月に惜しくも早世したギタリスト、足立”YOU”祐二(あだち・ゆうじ)さん所蔵のエフェクターがその中身です。ご本人が実際にステージで使い倒したものも、試しただけの新品同様のものも、中にはヴィンテージもあり、その数は150台以上に及びます。
ご遺族の「YOUの思い出と共に、いつまでも大切に使っていただける方の手元に渡りましたら、私共は幸せです。」というご意向を受け、これらのエフェクターをひとつずつ販売する運びとなりました。
DEAD END / Conception
足立”YOU”祐二氏所属のロックバンド「DEAD END」は、ヴィジュアル面、サウンド面、歌詞の世界観に至るまで、後進のバンドに大きな影響を及ぼしました。
ご自身のプロジェクトやサポート演奏など幅広く活躍した足立”YOU”祐二さんでしたが、やはりロックバンド「DEAD END」のメンバーとして、特に知られています。DEAD ENDにはインディーズ時代から加入しており、多くの作曲を担当しています。
雑誌のインタビューで「10個のいろいろなフレーズを持つことよりも、誰よりも突出した、研ぎ澄まされたクオリティのフレーズを3つだけ持っていたい」とコメントしている通り、芸の多さではなく厳選した音を紡ぎ出す演奏スタイルは、ロックギタリストのお手本となっています。
DEAD ENDに影響を受けたとされるミュージシャン達によるカバー曲集「DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-(2013年)」には、そうそうたる顔触れのアーティストが参加しており、その影響力の強さを感じさせます。
DEAD END / 夢鬼歌
DEAD ENDの曲調は、ストレートな8ビートからヘヴィメタルまで幅広く、またアレンジも精緻に練り込まれていました。ギターソロは「おっ」と言わせる技巧をチラっと見せつつしっかり歌い上げる、ドラマチックな展開です。
足立”YOU”祐二さんは、エフェクターによるサウンドメイキングに特に注力しており、エフェクターボードのブラッシュアップを入念に繰り返していました。雑誌のインタビューでは「一音の強烈さ、究極の一音のためならいくらでも時間を費し努力する、それは自分が一生怠ってはいけないことだ」とコメントしています。
その過程でいろいろなメーカーの製品をレビューするほか、
EC Custom Shop「ZOMBIE DISTORTION」
Mooer「Tender Octaver Pro」&「Tender Octaver mkII」
NINEVOLT PEDALS(現:Animals Pedal)
tc electronic製品に数多くの「Tone Print」を提供しています。
tc electronic アーティスト「足立 ‘YOU’祐二」
150台以上に及ぶ足立”YOU”祐二さん所蔵エフェクターは、フリマサイト「MUSICBASE」内、「Supernice!」公式SHOPにて順次販売しています。なお、この販売で得られた利益は、全てご遺族に送られます。
音楽・楽器専門フリマ「MUSICBASE」
バンドマンのポータルサイト「Supernice!」公式SHOP
ここではその一例を紹介します。
国産エフェクターブランドOvaltone(オーヴァルトーン)からリリースされた、ストレートなサウンドのトランスペアレント系オーバードライブ・ペダルです。3モード+3キャラクター=9種類のサウンドバリエーションがあります。
Ovaltone 「FOUNTAIN」(MUSICBASE商品ページ)
クリーンからクランチ程度のゲインを持ったブースターで、単体のクリーントーンを積極的に作っていく用途や、歪みペダルの後段に置いて音量を上げる+音色を補正する用途に最適です。
Ovaltone 「ULTRA BOOST TYPE-C “Clean”」(MUSICBASE商品ページ)
極限まで小型化したボディに、兄貴分のShaker Vibratoと同様に最上級のサウンドを搭載したビブラート・ペダルです。
tc electronic「Shaker mini Vibrato」(MUSICBASE商品ページ)
以上、足立”YOU”祐二さん所蔵エフェクター販売開始のお知らせでした。ご本人が使用した事実がブログやSNSで確認また類推できるものについては、商品ページにそのURLを添えた形で、足立”YOU”祐二さん所蔵の旨の記載があります。そのどれもが、一流アーティストと時間を共有した、貴重な個体です。ファンならずとも、ファンならばなおさら、ぜひチェックしてみてください。